Skip Global Navigation to Main Content
Skip Breadcrumb Navigation

From the Editor

Ambassador John V. Roos

 初めまして、駐日米国大使のジョン・V・ルースと申します。私が東京に着任してから初めて発行されるAmerican Viewのゲスト編集長として、2009年秋号をご紹介できることをうれしく思います。特に、本号のテーマが「教育」と聞き、この役割を喜んで引き受けることにしました。私は、教育と国際交流の分野において日米関係を強化することがいかに重要であるかを、これまでに何度もお話ししてきました。米国大使として、教育・科学分野での日米間の交流を支援する取り組みを数多く推進していきたいと思っています。

 私は着任以来、地下鉄に乗って学校に通う日本の子供たちの勉強に対する熱意と礼儀正しさに、とても感じ入っています。米国では、新学期と言えば、色づく木の葉や秋の夜の冷んやりした空気を思い浮かべます。日本のちょうど今ごろの季節でしょうか。日本の場合は、新年度が始まって既に半年以上が経過していますが、新しいことを学び、自分を磨くにはどうすればよいかを考えるのに、遅すぎるということはありません。9月に新学期が始まってすぐ、オバマ大統領は米国の子供たちに、学習目標を定め、それを達成するためにできることはすべて実行しなければならない、と語り掛けました。本号には、自らの学習に対して子供たちそれぞれが責任を持つように説く、この大統領のスピーチを収録しています。

 11月には、米国国務省と教育省が共同で国際教育週間(IEW)を開催し、全世界で100カ国以上が参加します。IEWは国際教育・交流の利点を説くよい機会であり、国際的な環境に出て行く米国人にその準備をさせるとともに、未来の外国の指導者たちが米国留学をしたくなるようなプログラムを推進しています。

 国際教育には、英語の学習や使用のさまざまな側面が関係することが多くなっています。日本では、最近の学習指導要領改訂に伴い、公立小学校での英語教育の問題が話題となっています。この問題について、第2言語としての英語教育の専門家ジェーン・ブライス・ウォレン博士から、興味深いご意見と、教師と生徒のいずれにとっても役立つヒントをいただきました。

 次に本号では、日英通訳の仕事にスポットライトを当てます。政府高官レベルの国際会議や会談、あるいはテレビなどで通訳として腕を振るっている2人のプロから、日英通訳者となるための訓練の様子や、通訳志望者へのアドバイスを伺いました。

 最後に、英語の進化についての記事を2本紹介します。ひとつは、「言語」というものが社会の中で常に変化する、生きている力であることを称賛し、アメリカ英語の活力の源となってきた多文化的要素について論じる記事です。もうひとつの記事は、若者の間での、携帯メールのような電子的コミュニケーション手段の利用の増加が、米国のスラングに及ぼす影響を考察します。

 本号が、英語の学習や指導、さらには教育面での日米交流の促進という点で、読者の皆さまの刺激になることを願っています。