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ジョージ・W・ブッシュ大統領の「9月11日」を記念してのビデオ・メッセージ

2002年9月10日

 米国は、昨年9月11日のテロ事件発生後、世界中の国々から寄せられた友情と支援を今後も記憶していく。私は、全ての米国民を代表し、失われた無辜の命をわれわれとともに悼み、世界からテロの恐怖という暗黒の雲を振り払うという米国の決意を支持する世界中の多くの人々に対し、感謝の意を表する。

 多くの国、多くの家族が、長年にわたりテロの脅威と無慈悲で残酷な死の恐怖に怯えてきた。9月11日は世界がテロの恐怖に陥った日ではなく、世界が協調してテロに立ち向かうことを誓った日である。

 歴史は後に、この日を悲劇の日としてだけではなく、文明社会が憤怒に駆られ、行動を起こすことを決意した日として思い起こすことであろう。そしてテロリストたちは、9月11日を自らの報いが始まった日として思い出すことになる。

 われわれの敵は、冷酷な野望を持ち、法も道徳も無視している。

 9月11日のテロ攻撃を行った者たちは、彼ら以外の宗教を軽蔑し、それによって自らの信仰をも汚した。彼らはその殺人行為をより大規模で広範囲なものにしようとしている。1年前にニューヨークとワシントンを襲った恐怖は、いかなる文明国をも標的にできる。

 われわれは、そうした敵から免れることはできないし、彼らに対し中立の立場というのはありえない。

  文明国が強力に団結し、われわれ共通の安全を守っている。テロリストの資金は凍結され、その前線部隊は摘発された。また、テロリストを支援する政権は権力の座から追放され、テロリストの陰謀はスペインやシンガポールで解明された。そして、多くのテロリストが裁判にかけられ、投獄され、あるいは命を落とす危険に怯えながら逃走している。

 現段階でのテロとの戦いでは、反テロ連合は一つの国家に対抗しているのではなく、テロリストのネットワークと対峙している。そのネットワークは時間がかかっても着実に解体されるため、われわれはいずれ勝利を収める。

 われわれは現在、大変大きな対立に直面している。その対立とは、宗教の対立でも文化の対立でもなく、文明と冷酷な暴力との対立である。すべての文化に生きる人々が、平和に尊厳を持って暮らすことを望んでいる。正義と慈悲、そしてよりよい生活への希望は人類すべてに共通する。しかし、われわれの敵はそうした価値観を否定し、それを否定することにより、米国だけでなく全世界を敵に回している。

 9月11日のテロ攻撃のような邪悪な行為を誰も望んではいない。しかしながら、そうした邪悪からも大いなる善が生まれることがある。

 組織的なテロの脅威が撲滅される日が訪れるであろう。その時には、これまでの多くの紛争に新たなる光が当てられることになる。

 テロリストの暴力によりもたらされる恐怖と憎悪の連鎖が断ち切られれば、長く続く深刻な紛争が、道理と善意をもって、そして相互の安全保障のために平和裏に解決されることになるであろう。

 われわれには現在、人類史に新たな希望の一章を記す機会が与えられている。そこには、勇気が冷酷な心を打ち破り、光が闇に打ち勝つという物語が記される。この崇高なる使命には命を賭ける価値があり、すべての国はこれを遂行する義務がある。

 自信を持ち、決意を持って、恐れることなく前進しよう。現在の苦難にともに立ち向かうことにより、われわれは新たな時代の希望を手にすることができる。

 世界中の自由を愛する人々に神のご加護を。